現在、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、企業も出社を制限しテレワークへ移行するなど、素早い対応が求められています。
以前、台風19号が直撃となるとなったときにも、企業は休業等の対応をすることになりましたが、あの時とは違い、今回は数週間、数か月に及ぶ可能性が高く且つ急いで動く必要があり、あらかじめBCPを策定していなかった企業には非常に対応が難しい状況となっています。

今回は弊社の内部監査室という立場から記事を書かせていただきます。

BCPの基本、ヒト・モノ・カネ

BCPは会社が緊急事態にどう対応をし、事業を継続していくのかという計画です。

そしてこのBCPでもこの3つ、「ヒト」「モノ」「カネ」がまず基本になります。
どれが欠けても企業としては立ち行かなくなるものですが、今回、新型コロナウイルスに特化して考えてみようと思いますが、その前提であるリスクへの対応の4つの選択肢「低減」「回避」「移転」「保有」についても解説しておりますので、併せてご覧ください。

ヒト -ヒトがいなくては業務は回らない-

企業の活動はすべてをロボットがやってくれている……、そんなケースはないでしょう。だとすると、どれだけ自動化等が進んでいたとしても、必ずどこかでヒトがかかわっており、ヒトがかかわれなくなった瞬間にその業務はストップします。

その為、ヒトがいなくてはそもそも業務は回りません。

今回の新型コロナウイルスで、ヒトに関する部分については、例えば弊社の場合は大きく分けて2種類のリスクがあると考えています。

一つは、ロックダウンないしそれに近い強い自粛によりスタッフ全員が出社できない状況です。

もう一つは、社内から感染者が発生し自宅待機ないし入院隔離となり、他のスタッフについては濃厚接触者となり全員自宅待機となるケースです。

そうでなくても、従業員の誰かが濃厚接触者となり自宅待機となる可能性も十分に考えられます。

さて、まずこの一つ目のロックダウンないしそれに近い強い自粛については、すでに出ている通りリスクが表に出てきている状態ともいえますが、正直まだ「法的強制力」はないため、行こうと思えば行くことはできます。

しかし、同じ社会に生きる者、またテレワークを実施できる立場としては率先して人の流れの削減に協力をしていかねばならないと考えておりますので、弊社でもテレワークの実施をしております。

しかし、テレワークの実施ができていなかった場合、社会の人の流れを減らす事に協力することはできず、結果として社会では感染拡大となり、二つ目のリスクへとつながる可能性も大きくなります。

また、社内で感染者が出て、クラスターの発生となった場合には確実に消毒の作業などが入ります。

この状況になってしまえば、テレワークの為の準備期間が必要であったとしても、速やかに自宅待機となってしまい、最悪事業はストップしてしまいます。

テレワークが可能であれば、遠隔である程度の仕事が実施でき、企業を存続させる動きができたものが、一切できなくなるのは大きな損失につながりかねません。

モノ -モノが入らなくても事業は回りません-

自社の商品に仕入れがある場合、決して自社のヒトが回るようにとテレワーク対応をしていたとしても、仕入先の企業がそうであるとは限りません。

例えば、弊社であれば、今主力サービスのサーバーが物理的に故障してしまった場合には保守に交換を頼む必要が出てきます。しかし、その企業が営業できる状態かどうかはわからないということになります。

別の機種に乗り換えるわけにもいかず、おそらくその時点では応急処置の状態でなんとかもたせ、その後代替案を出すことになるであろうことは容易に予測できます。

弊社のサービスの場合、仕入れが少ない業種ですので影響となるものは少ないのですが、たとえ自社がテレワークで多くできる業務であったとしても、取引先がそうであるとは限らないという点は留意しておくべきです。

取引先がBCPを設定していない場合、急に危機に陥り、対応が間に合わないというケースも出てくるということを念頭に置いておく必要があるでしょう。

カネ -キャッシュがなくては倒産します-

このような危機的状況下においては、黒字倒産のリスクはさらに高まります。

取引先が営業できているとは限らないという場合、売掛金の回収に大きなリスクがでてきます。

そもそも、取引先が事業規模を縮小してしまったが故に、自社の売り上げ自体が大きく落ち込むという可能性も十分に考えられます。

しかし、どこの会社も「固定費」は変わらずかかり続けています。そのため、支払わなくてはいけない金額に変動はありません。
削減をできるのは主に「変動費」の部分ですが、経費の削減にも限界があります。

出ていくお金は変わらないのにもかかわらず、売り上げが大きく落ち込むという状況は避けなくてはなりません。

現時点でも報道で多々あるように、例えば今回の緊急事態宣言をうけて外食産業ではなるべくテイクアウト等で利益を出そうとあの手この手とメニュー等で工夫をして、利用客を増やす努力をしています。

しかし、自粛を命じられてしまった業種については一切の営業をすることができないため、補償が頼れないようであれば畳むしか選択肢がない状態にあります。

例え自社は影響がなかったとしても、その取引先やさらにその先の取引先が無事であるとは限らないため、大きく影響がでてくるとみるべきでしょう。

計画の策定がなければ、対応は後手にまわる

新型コロナウイルスに対して、会社はどこまで対応をすべきかでも書かせていただいた内容ですが、BCPの策定は事が起こってからでは対応はできません。

上記のリスクの具体例を見ていただいてもわかる通り、何かが起こってからでは一切の対応ができない場合すらあります。

そのためにも、事が起こる前に自社では最低限何を死守しなくてはいけないかを評価し、計画を立てておく必要があるのです。

BCP説明
BCPを策定していないと、対策が遅れる理由

最後に、情報

さて、今回は新型コロナについて特化していたため抜けてはいますが、災害時には上記3つに加え重要なものが「情報」です。

ヒトにしろ、モノにしろ、カネにしろ、情報がなくては何がどうなっているのかを判断するための材料がありません。

この情報をいかに「早く」「正確に」あつめるかが、重要なポイントとなります。

この新型コロナの渦中では検討する余裕もないという企業は多々あるとは思いますが、ぜひ、少しでも落ち着いたところで、喉元を過ぎるまえにこの点についても、情報を集める手段について、従業員と共有をできているかだけでも確認をしてみてください。

ヒト・情報を素早く集めるために

弊社グループでは、このBCPでも重要な「ヒト」「情報」を集めるためのサービスとして、「緊急SMS」というサービスを提供しております。

SMSの到達率の高さと親展性の高さを活かして、従業員やお客様の安否確認ができるサービスです。
SMSの配信機能+安否確認ページ(回答フォーム)を組み合わせてご利用いただけます。
URL開封状況、回答内容は指定されたメールアドレスに送信され、安否情報回答者の位置情報を地図で確認することもできます。

緊急SMSのページはこちら
 https://ssl.r-sms.jp/emergency_sms.html
 http://sms-impv.jp/